この記事では、八重歯矯正の必要性やメリット・デメリット、さまざまな矯正方法とその費用、そして矯正を検討する際のポイントまで徹底解説します。八重歯矯正で悩んでいる方が、自分に合った選択ができるよう、専門的な情報をわかりやすくお伝えします。
八重歯は可愛いだけじゃない!矯正すべき3つの理由

日本では「可愛い」というポジティブなイメージがある八重歯ですが、健康面での注意点も多く存在します。将来の口腔の健康に影響を与える可能性があるため、以下の3つの観点から矯正を検討する価値があります。
- 健康面のリスク
- 体への影響
- 国際的な印象
虫歯や歯周病リスクが上がる危険性

八重歯の問題点
- 歯と歯が重なり合って複雑な形になるため歯ブラシが届きにくい
- 磨き残しが虫歯や歯周病の原因となる
- 重なった歯は初期虫歯の発見も困難
八重歯の体への影響
- 犬歯が正しい位置にないため奥歯に過剰な力がかかる
- 噛み合わせのバランスが崩れる
- 顎の筋肉に余計な負担がかかり、その緊張が首や肩の筋肉に伝わる
見た目の印象が海外でマイナスに
アメリカでは白くてきれいな歯並びがステータスの象徴とされ、歯が汚い人はだらしない人という印象があるため、ビジネスや就職においても不利になることがあります。国・地域による八重歯の印象
国/地域 | 八重歯の呼び名・印象 |
---|---|
日本 | 「チャームポイント」と肯定的 |
欧米 | 「Vampire teeth(ドラキュラの歯)」「Devil’s teeth(悪魔の歯)」と否定的 |
中国 | 「虎の歯」「幸福が逃げる」などの迷信あり |
韓国・台湾 | 女優や歌手に歯並びの悪い人はほとんどいない |
八重歯って何?原因と特徴をわかりやすく解説

八重歯の定義
- 上顎の犬歯(前歯から数えて3番目の歯)が本来の位置からずれている状態
- 犬歯が隣の歯より外側に出ていたり、他の歯と重なり合ったりしている
- 叢生(そうせい)と呼ばれる不正咬合の一種
八重歯が生じる意外な原因とは
八重歯の主な原因は、顎の大きさと歯の大きさのバランスが悪いことです。八重歯の主な原因
- 顎が小さすぎる・歯が大きすぎる
- 過剰歯の存在(通常より多く歯が生えてくる)
- 生え変わりのタイミングの問題(1.乳歯が遅く抜けると永久歯が正しい位置に生えてこない 2.乳歯が早く抜けると永久歯のスペースが奪われる)
顎のサイズが小さいと発生しやすい
そのため、歯が並ぶスペースが足りなくなりやすく、八重歯になるリスクが高まります。アジア人と欧米人の顎の違い
- アジア人:下顎骨が細く、下顎角がなだらか
- 欧米人:下顎骨がしっかりしており、下顎角も角度が強い
遺伝で八重歯になりやすいことも

- 特に日本人は遺伝的に顎が小さい
- 顎のサイズに対して歯の本数(親知らずを含め32本)が多い
- 親や近い親族に八重歯がある場合、子どもも八重歯になりやすい傾向
八重歯の特徴を知れば矯正の必要性が見える

- 清掃性の低下(歯磨きの困難さ)
- 噛み合わせへの悪影響
- 顎関節への負担増加
- 食物の咀嚼効率の低下
歯並びが凸凹になる典型例

八重歯がある場合の歯並び
- 叢生(そうせい)と呼ばれる凸凹な状態になりやすい
- 特に犬歯が外側に出ていると歯列のラインが乱れる
- 歯ブラシが届きにくい部分ができる
- 特定の歯に過剰な力がかかる
犬歯が目立つ日本独特の歯並び
様々な不正咬合(ふせいこうごう)の中で八重歯にだけ独特な価値観、美意識を持っているのは日本人だけであり、日本文化の幼児性や「未完成の美」としての魅力が関係しているといわれています。 日本の八重歯文化- 犬歯が少し出ている「八重歯」をチャームポイントと考える文化
- 世界的には忌み嫌われることが多い
- 「可愛い」とする独特の美意識
八重歯矯正のメリット5つ!健康と見た目を両立

- 歯磨きが楽になり虫歯予防に
- 噛み合わせ改善で体の不調が減る
- 笑顔に自信が持てるようになる
- 発音がクリアになる
- 将来の歯のトラブルを未然に防ぐ
歯磨きが楽になり虫歯予防に
これにより、プラークや食べかすが溜まりにくくなるため、虫歯や歯周病のリスクが大幅に減少します。 歯磨きのしやすさが向上する理由- 歯並びが整うと歯ブラシが全ての歯表面に均等に届く
- 特に八重歯の根元付近は通常の歯磨きでは届きにくい場所
- 歯間部の清掃も効率的に行える
- フロスも使いやすくなる
噛み合わせ改善で体の不調が減る

- 歯が正しい位置に並び、噛む力が全体に均等に分散
- 特定の歯に過剰な力がかかることを防止
- 顎の筋肉の緊張が和らぎ、首や肩の筋肉の緊張も緩和
- 消化の第一段階である咀嚼(そしゃく)の効率向上
笑顔に自信が持てるようになる
八重歯矯正によって歯並びが整うと、自然な笑顔を取り戻すことができ、自己表現やコミュニケーションにおいてもプラスの影響を与えます。笑顔の自信がもたらす効果
- 人とのコミュニケーションがより積極的に
- 就職活動や接客業など人との関わりが重要な場面で有利に
- 写真を撮る際に笑顔を隠す必要がなくなる
- 大切な思い出をより自然な表情で残せる
発音がクリアになる
矯正によって歯と舌の位置が整い、特に「サ行」や「タ行」などの発音が改善されることで、話すことへの自信が高まります。発音改善のメリット
- 舌や唇が正しく動かせるようになる
- はっきりとした発音が可能に
- プレゼンテーションやスピーチなど人前で話す機会に有利
- 外国語学習においても正確な発音が習得しやすい
将来の歯のトラブルを未然に防ぐ
矯正によって歯の位置を正しく整えることができ、結果として虫歯や歯周病のリスクを大幅に減少させることができます。矯正治療の予防効果
- 歯並びが悪いと特定の歯に過剰な力がかかる
- 歯の摩耗や破折リスクが減少する
- 適切な噛み合わせで歯全体の健康を維持
- 長期的な口腔健康の確保
八重歯矯正のデメリット4つ!始める前に知っておこう

- 治療費が高額
- 矯正中の痛みや違和感
- 治療期間が長い
- 歯の健康リスク
治療費が高額
部分矯正で30万~70万円、全体矯正では80万~150万円程度の費用がかかります。 八重歯矯正にかかる費用は決して安くありません。矯正方法や症状の程度によって異なりますが、かなりの出費を覚悟する必要があります。費用の目安
矯正方法 | 費用の目安 |
---|---|
表側矯正の部分矯正 | 30~60万円 |
裏側矯正の部分矯正 | 40~70万円 |
表側矯正の全体矯正 | 60~130万円 |
裏側矯正の部分矯正 | 40~70万円 |
裏側矯正の全体矯正 | 100~160万円 |
矯正中の痛みや違和感
この痛みは通常2~3日程度で落ち着くことが多いですが、個人差があり、歯の移動速度が速すぎると歯根吸収(しこんきゅうしゅう)を引き起こし、歯の動揺につながる可能性があります。 八重歯矯正中は、痛みや違和感を感じることがあります。特に装置調節後は歯に力がかかることで不快感が生じます。矯正中に起こりうる不快感
- 装置調節後の歯の痛み
- ブラケットやワイヤーによる口内炎
- マウスピース交換時の違和感
- 食事時の痛み(特に硬いものを噛むとき)
また、マウスピース矯正でも新しいマウスピースに交換した際に違和感や痛みを感じることがあるため、どの矯正方法でも多少の不快感は覚悟しておく必要があるでしょう。
治療期間が長い
八重歯矯正は短期間で終わるものではなく、一般的に半年から3年程度の治療期間が必要です。 矯正治療の期間は個人差が大きく、八重歯の状態や選択する矯正方法によっても異なります。この長期間の治療に耐えられるかどうかを事前に考慮する必要があります。治療期間に関する注意点
- 月に1回程度の定期的な通院が必要
- 長期間にわたって矯正装置を装着する忍耐が必要
- 結果が出るまでに時間がかかる
- 仕事や学校の都合で通院が難しい場合もある
歯の健康リスク
矯正装置により食べ物が溜まりやすくなり、歯磨きが困難になることで、むし歯や歯周病のリスクが一時的に高まることがあります。矯正治療中は口腔内の環境が変化し、いくつかの健康リスクが生じる可能性があります。
矯正中の歯の健康リスク
- 装置により歯磨きが難しくなり、プラーク蓄積の危険性
- 装置と歯の摩擦による歯のエナメル質への影響
- 根の吸収(長期間の矯正により発生することがある)
- 過度の力がかかることによる歯の神経への影響
また、定期的な検診とクリーニングを受けることで、問題を早期に発見し対処することができます。
八重歯矯正を検討する際は、これらのデメリットをしっかり理解したうえで、メリットとバランスを取りながら決断することが大切です。
自分の生活スタイルや優先順位に合った選択をすることで、矯正治療をより円滑に進めることができるでしょう。
八重歯の矯正方法3選!自分に合うのはどれ?

- ワイヤー矯正:確実性No.1の定番
- マウスピース矯正:目立たず快適
- 部分矯正:短期間で八重歯だけ改善
ワイヤー矯正:確実性No.1の定番

ワイヤー矯正の特徴
- 歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーで歯を動かす
- 重度の八重歯も確実に治療可能
- 装置が目立つ、口内の傷、食事や歯磨きの困難さがデメリット
マウスピース矯正:目立たず快適

マウスピース矯正のメリット
- 透明な素材で作られた装置で目立たない
- 口内炎などのトラブルが少ない
- 取り外し可能で食事や歯磨きが容易
部分矯正:短期間で八重歯だけ改善
特に見た目が気になる前歯部分だけを矯正するため、治療期間は一般的には6ヶ月から1年程度で終わることが多いでしょう。部分矯正のメリット
- 短期間で治療完了
- 全体矯正より費用が抑えられる
- 通院回数も少なく時間的負担が軽減
八重歯の矯正をオススメできる人・できない人

矯正がオススメな人
特に歯の健康リスクを減らしたい方や、見た目にコンプレックスを感じている方、将来的な口腔内の健康を考えている方には、矯正治療が大きなメリットをもたらすでしょう。歯並びの健康リスクを減らしたい人
特に八重歯の周辺は食べかすが溜まりやすく、プラークが蓄積しやすい場所になります。
八重歯があると歯と歯が重なり、歯ブラシが届きにくい場所ができます。丁寧に歯磨きをしても磨き残しが生じやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また歯並びが悪いと噛み合わせにも影響し、特定の歯に過剰な負担がかかります。
矯正で歯並びが整えば歯磨きがしやすくなり、口内を清潔に保てます。クリアアライナー療法も選択肢の一つです。
見た目にコンプレックスがある人
特に就職活動や接客業など、人との関わりが重要な場面では、自信を持って笑顔を見せられることが大きなアドバンテージとなります。
八重歯があることで笑顔を見せるのに抵抗がある方も少なくありません。
矯正で歯並びが整うと笑顔に自信が持て、コミュニケーションが積極的になります。写真撮影時も笑顔を隠す必要がなく、自然な表情で思い出を残せます。
見た目の改善は精神的健康や社会生活の質にも関わります。コンプレックスを感じている方は目立たない矯正方法も検討してみましょう。
長期的にお口の健康を考えたい人
歯並びが悪いと、特定の歯に過剰な力がかかり、歯の摩耗や破折のリスクが高まります。
八重歯を放置すると年齢とともに歯のトラブルリスクが高まります。
矯正は将来の問題を予防する先行投資です。
清掃性が悪いと虫歯や歯周病が進行しやすく、最終的に歯を失うこともあります。
矯正は一時的な費用と時間がかかりますが、将来の歯科治療費用を減らせる可能性があります。
健康な歯は食事の楽しみを維持し、全身の健康にも良い影響を与えます。
矯正がオススメでない人
矯正治療には時間とお金がかかるため、短期間での変化を求める方や、費用や手間をかけたくない方には向いていないでしょう。短期間で劇的変化を求める人
八重歯矯正は、短期間で劇的な変化を期待するには向いていません。
矯正治療は歯を少しずつ動かしていくため、目に見える変化が現れるまでには時間がかかるのです。
矯正治療の一般的な期間
- 症状の程度によるが半年から3年程度
- 特に成人は骨の成長が止まっているため治療期間が長くなりがち
- 毎月の調整が必要
インターネット上の方法は歯に不適切な圧力をかけ、痛みや変色、歯根の吸収を引き起こす可能性があります。
費用や手間をかけたくない人
八重歯矯正の費用は、部分矯正で40万~70万円、全体矯正では120万~150万円程度かかり、健康保険が適用されないため全額自己負担となります。 矯正治療の負担:
- 矯正費用の高さ(40万~150万円)
- 月1回程度の定期的な通院
- 装置による食事や歯磨きの制約
- 装置による違和感や痛み
八重歯の矯正で後悔しないために!知っておくべき注意点

後悔しないための重要ポイント
- 矯正装置の見た目に慣れる心構え
- リテーナー(保定装置)の必要性理解
- 専門医の選択
リスク要因には治療期間、歯根の形状、外傷歴、習慣、遺伝的素因などが関係します。 矯正中の見た目に慣れるまで我慢 しかし、多くの人は数週間から数ヶ月で装置の存在に慣れていきます。
矯正装置装着後の対応方法
- 透明や歯の色に近いブラケットを選択
- 裏側矯正やマウスピース矯正の検討
- 矯正用ワックスで口内炎を予防
- 鎮痛剤で装着直後の痛みを緩和
治療後のリテーナーで維持が必須
特に治療終了後は歯の周りの組織が安定するまでの重要な時期であり、リテーナーが歯の位置を安定させ、元の位置に戻るのを防ぐ重要な役割を果たします。 リテーナー使用の重要ポイント- 矯正後の歯は元の位置に戻ろうとする力が働く
- リテーナー装着を怠ると後戻りリスクが高まる
- 取り外し式と固定式のタイプがある
- 歯科医師の指示通りの装着が必須
八重歯矯正で迷ったら必見!よくある5つの質問

矯正って本当に必要?放置しても大丈夫?
八重歯は見た目の問題だけではなく、歯と歯が重なり合っているため歯磨きが難しくなり、プラークや食べかすが溜まりやすくなるのです。- 八重歯放置のリスク
- 虫歯・歯周病リスクの増加
- 口内炎の発生(前方に出た歯が唇に擦れやすい)
- 咀嚼機能の低下
八重歯の程度によってはこれらの健康リスクが低い場合もありますが、長期的な口腔内の健康を考えると、矯正治療を検討する価値はあるでしょう。
痛みはどのくらい?我慢できるレベル?
特に矯正装置を調節した直後は、歯に力がかかることで痛みを感じやすくなりますが、通常2~3日程度で落ち着くことが多いです。 矯正中の痛みについて- 個人差が大きい(ほとんど痛みを感じない人もいる)
- ワイヤー矯正:ブラケットやワイヤーによる口内炎も
- マウスピース矯正:新しいマウスピース交換時に違和感や痛み
- 鎮痛剤服用や歯科医への相談で緩和可能
マウスピース矯正の期間は平均1年から最長5年程度で、八重歯の状態や歯列全体の状況によって異なります。
治療中に目立つのを避けたいけど可能?
マウスピース矯正は透明な素材でできているため、周囲の人に気づかれにくく、見た目を気にする方に最適です。 目立ちにくい矯正方法 マウスピース矯正(インビザラインなど)- 透明で目立ちにくい
- 取り外し可能(特別な場面で一時的に外せる)
- 効果を得るには1日20時間以上の装着が必要
裏側矯正
- 歯の裏側に装置をつけるため外からほぼ見えない
- 舌への刺激や発音の問題が生じることも
- 表側矯正でも透明や歯の色に近いブラケットを選択可能
見た目が気になる方は歯科医院での相談時に希望を伝えると良いでしょう。
費用を抑える方法ってあるの?
部分矯正を選ぶと、全体矯正の半額程度の費用で済むことが多く、経済的な負担を軽減できます。矯正費用の節約方法
矯正方法 | 費用の目安 |
---|---|
マウスピース部分矯正 | 30~60万円 |
ワイヤー部分矯正(表側) | 30~60万円 |
ワイヤー部分矯正(裏側) | 40~70万円 |
全体矯正 | 60~160万円 |
他の費用節約方法 デンタルローンなどの分割払いを利用する ただし、八重歯の程度や他の歯との関係によっては部分矯正では対応できないケースもあります。 費用だけでなく、医師の技術や経験、アフターケアの充実度も考慮して選ぶことが重要です。
何歳まで矯正できる?年齢制限は?

年齢による矯正の違い
- 子供・若年者:骨の成長が活発で歯の移動がスムーズ、治療期間が短くなる傾向
- 大人:骨の代謝が遅く、子供より治療期間が長くなることがある
- 高齢者:歯周病などの口腔内問題を事前に解決する必要がある場合も
年齢を理由に諦める必要はありません。
ただし、年齢によって治療方法や期間に違いが生じる可能性があるため、歯科医師と相談しながら進めることが大切です。
まとめ|八重歯の矯正で笑顔と健康を手に入れよう!

虫歯や歯周病のリスク低減、噛み合わせの改善による体の不調の軽減など、多くのメリットがあります。
ワイヤー矯正、マウスピース矯正、部分矯正など、様々な方法から自分に合ったものを選べます。
確かに、治療には時間とコストがかかりますが、長期的に見れば健康的な歯並びを手に入れ、生活の質を向上させる効果が期待できます。治療中の痛みや違和感も一時的なものです。
歯科医院でカウンセリングを受け、自分に合った治療方法や医院を選びましょう。
信頼できる歯科医師と二人三脚で治療を進めることで、理想の歯並びに近づけます。